「ひかりふる路」「SUPER VOYAGER!」①

さて。

公演名を間違っているわけではありません

 

本当に私は今からこの公演についての記事を上げようとしているのです。笑

 

この公演は本当に思い入れが強く

文章にして残しておきたい感情が多すぎて

なかなか時間が取れず後回しに・・・

した結果、もう次の本公演が始まってしまったという現状です・・・

 

ですがまぁ自己満足観劇記ブログですのでね、

今更ながらなんとなく文章にしておこうと思います。

 

せんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせん

 

 

ミュージカル

作・演出/生田 大和

 

レヴュー・スペクタキュラー

『SUPER VOYAGER!』 -希望の海へ-
作・演出/野口 幸作

 

宝塚大劇場:2017年11月10日(金) - 12月15日(金)

東京宝塚劇場:2018年1月2日(火) - 2月11日(日)

 

出演:望海 風斗、真彩 希帆他

 

せんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせんせん

 

 

まず、タレーランとロラン夫人のチェスシーンから

ルイ16世の国王裁判への流れ。

フランスの国情とジャコバン党が勢いを増していることをスムーズに

説明していて、良き幕開きだったと思います。

 

そこからのロベスピエールの登場!!

セリ上がり→ソロ歌→銀橋

新トップさんのお披露目公演の登場シーンとしては満点では?

初日公演のこの瞬間の光景は忘れられません。

 

 

民衆たちが去るとその背後から現れるヒロイン・マリーアンヌ

続く「革命の犠牲者」のナンバーでその境遇やパリへやって来た理由などが

説明されるのですが、これ、歌詞がちゃんと聞き取れないとそもそもの物語の

スタートが台無しになっちゃんですよね。

このあたりは先生からきほちゃんへの信頼ゆえかなぁと思ったり。(贔屓目上等!)

ちなみにこのナンバー、公演途中からもうきほちゃんボロボロ泣いてましたね・・・

 

 

ジャコバンクラブのシーンでは、

ダントン、ロベスピエール、デムーランの関係性や仲間の絆、

サンジュストロベスピエールへの陶酔具合、

ダントンやデムーランの夫婦の仲睦まじさ、

なんかも上手く説明されていて、その上

マクシムとマリーアンヌの出会いにつながって行くのだから

良い流れですよね。

 

 

その後の「出口のない夜」のナンバーも、のぞみさんきほちゃんともに

すべての歌詞がクリアに聞き取れてノンストレス!!!

お互いに気になりながらも、警戒しつつ探りあいつつ・・・

マリーアンヌにいたっては刃を向けるタイミングをはかりつつ・・・

そんな中荷車からマリーアンヌをかばったマクシムの顔が近い!笑

おいおいどうしたってつっこみたくなるくらい、初日からそれはもう・・・

無意識なのかな、マクシム・・・可愛いけど罪なお人だわ・・・

 

 

国王不在のフランスへ諸外国からの宣戦布告→国内で内乱、の展開はスピーディー。

戦闘シーンでの咲奈さまのダンスのかっこよさの話します?(止まりませんよ?)

このあたりで、

信念を曲げることなく理想を追い求めたいマクシムと

理想だけでは現実の政治はやっていけないと悟ったダントンとの間に

少しずつ溝ができ始めてくるんですよね。

 

 

続くポンヌフ橋でのマクシムとマリーアンヌの場面。

「理想と願い」のナンバーはメロディラインだけで涙を誘います。

マクシムの故郷への思い、その回想の中に失ったマリーアンヌの

家族を重ねて出してくるのは、これはずるいわ。反則だわ。そりゃ泣くわ。

お互いの心が寄り添っていく、このナンバー中にマリーアンヌがマクシムに

心を開いて行く様子がよくわかります。
仇としか思っていなかった男の内面に触れて共鳴して心が震えていくマリーアンヌの表情がとても良い。

(しかしそれに対してマクシムは、最初から橋の上で待ち伏せするわ、

自分語り始めるわで、多分もうすでに大分マリーアンヌたんのこと好きですよね。笑)

 

そしてここに来ての「今」ですよ!!!!

もう本当に大好きなナンバーです。ワイルドホーンさまありがとうございます!

”もう離れることなどできない”という歌詞の説得力たるや。

そうだね、出会ってしまったんだね2人は。もう離れられないね。

って全客を納得させそうなナンバーでした。

 

 

ルノー印刷所~パリの街角の場面では、

きほ×みちるという可愛い並びが見られて本当に嬉しい!!

(みちるちゃん大好き)

復讐を果たして自分も死ぬことしか考えられなかったであろうマリーアンヌに

”新しい人生””生きて行く強さ”を与えてくれた名場面。

これがラストシーンにつながっていくんでしょうね。

 

タレーランが陰謀を巡らし、サンジュストは煽り、民衆は押し上げてくる、

この状況下で真面目なマクシムの歯車がどんどん狂っていってしまう。

理想と現実っていつの世にもある普遍的なテーマだとは思うんだけど

(たとえば現代において結婚相手を選ぶ場合に、夢ばっかりの相手じゃ

暮らしていけないし、全く夢のない相手じゃ息詰まるしね。

ちょっと話ずれるけどでもうそういうことでしょ?)

でもだからといって恐怖政治にたどり着くのはやっぱりあまりにも唐突。

ここだけがこの作品中の首を傾げたポイントだったから東京公演で

説明台詞が増えてよかったと思う。

 

それにしても、のぞみさんもあーさも狂っていく表情が絶品だったな。(うっとり)

 

マクシムとしてはこの革命の先に2人の幸せがあると信じているわけだから

マリーアンヌから「あなたの理想はもっと素朴で温かいもののはず」と言われた時の

彼の、心の奥底では本当は自覚していながら、でも見ないようにしていたものを

突きつけられたような感じ、ぐっときます。

 

そしてそこからの「葛藤と焦燥」ですよ!!!

このタイトルつけたのやっぱり生田先生なんですかねぇ。素晴らしいですね。

このナンバーは何回見ても見入ってしまって聞き入ってしまって、

心が苦しくなる辛い場面でした。

やっぱり印象に残るのはマリーアンヌの

”愛した人を殺すなんてできないわ”の絶唱。心の叫び。

2人の葛藤を舞台の上下で表現しつつ舞台中央でロラン夫人たちが処刑されていく・・・

止めたいのにこんなの違うのにわかってるのにもう止められない。

お互いを思う気持ちに変わりはないのにどうしたら自分の思いを理解してもらえるのだろうか。

それがわからない焦燥。名場面とはこのこと!!!

 

真彩ファンとして思うのは、このナンバーでヒロインパートをハモリや合いの手的な部分でなく、

主人公と拮抗するパートに振って頂いたこと。本当に光栄なこと。ありがたいことです。

 

 

もう泣いてしまいそう・・・となっている客を本気で泣かせにくるのが「友よ」

 

 なんとかして助けてほしい、

と切実に歌うカミーユの♪友よ~からの、
助けに行くさ決まってるじゃないか、

と優しく歌うジョルジュの♪友よ~
からの、
マリーアンヌ&リュシルも加わっての4人の銀橋の流れが本当に泣ける。
マクシムがこの4人の声に耳を傾けてさえいれば…

 

あ、ここのセリ上がってくる咲奈さまダントンのかっこよさの話します?笑

 

 

ここからはもう見ていて辛いシーンが続きます。

ジョルジュとマクシムのシーンでは「大胆にいこうぜ」のメロディアレンジが

不協和音のように流されていて、本当に切ない・・・

 

「こっちへ来るんだ」とマリーアンヌに言って拒否されたときのマクシムの

絶望の表情は絶品ですね。

 

ダントン邸でのシーンは何回見ても、

どうしてジョルジュの胸に飛び込まないの??マクシム???

という思いでいっぱいになります(泣)

結局のところ、

「自分の喜びなどどうでもいい」マクシムと

「喜びを知らない奴は人に喜びを与えられない」ジョルジュと

違った向きに動き出した歯車はもうかみ合わないんですよね。残念ながら。

ジョルジュは奥さんガブリエルにも

「みんな仲良く飲んで食えたらそれでいいじゃねえか」と序盤に言ってるので

彼の信念というのはまったくぶれてないんですよね。

ただ、理想だけではなんともならない壁を越えられなかっただけで。

マクシムの説得が上手くいかなかった後、1人残ったジョルジュが、

2つグラスを置いてもうそこにはいないマクシムの大好きな白ワインを注ぐ

姿はもう・・・ここ、公演期間中何度も思い出して泣いた場面です。

 

そこから「至高の存在の祭典」へと続くわけですが、

ジョルジュやカミーユを失ったマクシムの空虚さといったら。

それまではちゃんとサンジュストの上に立っていた。

でももう駄目。次は何をしたらいい?サンジュストに尋ねないと

歩み出せない。完全に操られる側になってしまっている。

祭典の場面でのマクシムの衣装も彼の滑稽さや愚かしさがにじみ出てますよね。

ホント、ジョルジュじゃないけど、何やってんのマクシム?何だそのだっさい格好!

って言いたくなりますよ。

 

そしてその祭典終わりでマリーアンヌに襲い掛かられ、

彼女の素性を知らされ、自分に近づいたのは復讐するためだったと知る。

 

ここのマクシムの歌「全てを失って」がまた切ないの!!!

でもこのボロッボロになったマクシムの姿、

こんな感じ、のぞ様の真骨頂だと思うんですよね!!!!最の高ですわ!!

それでいてあの陳腐な衣装なんですよ!!!(しつこい)

 

テルミドールの議会。

民衆って世論って勝手だよね、って気もしちゃう。

あんなに革命の英雄だと囃し立てていたのにあっという間に宿敵扱い。

 

ここでマクシムが歌う「理想の世界もただ1つの愛も幻だったのか」の歌詞が

本当に切ない。違うよ、そうじゃないよ、あなたの理想も愛もちゃんと存在したよ。

でももう彼には何もかも信じられないし、何もかもどうでも良くなっちゃうよね。

 

そしてラストの牢獄のシーン。

アーアーあーあーあーあーあーあーあーあーあー

思い出して泣きそう・・・

 

シンプルな白いお衣装にシンプルなセットを背景に歌うトップコンビの清廉な美しさは筆舌に尽くし難い。

 

「今」(リプライズ)

 

このナンバーは歌詞の1つ1つが心に刺さるんだけど

でも私は、良かったねマクシム!!!っていう思いでいつも聞いてた。

あなたの信じたただ1つの愛は決して幻じゃなかったんだよ、

確かに存在していたんだよ、っていつも思ってた。

あなたの愛した人はこれからも生きる。

あなたが希望を与えたからね。

そしてあなたがこれから進む世界にはね、ジョルジュやカミーユ

先に行って待ってるからってそう言ってたよ。

 

 

号泣 のち 号泣😭😭😭😭😭

 

初日公演でこのラストシーンを観た時には

悲しいとは違う涙が止まりませんでした。

結末としては悲劇なんだけど、でも2人の心情としては

決して100%悲劇ではなく、ハッピーエンドの側面もあるんだなぁと。

 

マリーアンヌ、幸せになるんだよ・・・

っていうマクシムの気持ちになって毎公演幕が降りてました、私。

 

 

この公演を通して思ったことの1番は、

のぞみさんのお歌が上手いのなんて100万年前から世界の常識だったけど

知ってたつもりだったのと別次元で上手かった。
白くもあり黒くもなり、キラキラと輝き苦悩に顔を歪め、気のおける仲間に囲まれ愛する人を見つめ。
こんなのぞみさんが見たかった!がいっぱい詰まってました。

 

きほちゃんはまた1段と、いや2段も3段も、

いやいや何段も、ものすごいレベルまで駆け上がった気がする。

低音から高音まで自由自在に歌ってる。

そしてその歌声にロベスピエールへの愛と憎しみが混じり合ってて心に突き刺さる。

 

 

そして、初見時には正直言うと

トップコンビとの力量の差が開いて見えた咲ちゃんのダントン。

回数重ねる内にどんどん良くなった。

公演が終わる頃にはジョルジュの大ファンになってた。

ひらめちゃんとの並びもとってもお似合いで素敵な夫婦でした💕

 

 あーさはめっちゃ良いお役!
これは儲け役ですわ。
でもそれに応えるビジュアル神っぷりと確かな歌唱力と演技力。
素晴らしい好演です。

 

 

コマちゃんは愛すべき弟キャラ。

ジョルジュのこともマクシムのことも大好きで

2人の仲違いはハラハラしちゃう。

そして奥さんのリュシルのことも大好き。

みちるちゃんとの並びは可愛いの極み。

コマちゃんの最後のお役を拝見出来てとても幸せでした。

 

その他にも1言の台詞からコーラスまで

全出演者が素晴らしかったけど挙げきれない。

 

でもこれだけは。

 

凪様の美女っぷりは国宝級。

 

以上!

(最後の締めはこれか)

 

大分割愛して短めに書いたのにこのボリューム。

もういいんです。

自分の思い出なんで(・ω・)

 

長くなったのでショーに関してはまた改めて。

 

ひかりふる路。

 

この作品に出会えて。

きほちゃんがこの作品で

のぞみさんの相手役をスタートできて、

本当に幸せでした(*´꒳`*)

 

 

 

 

 

 

(写真は宝塚歌劇団HPより)