「ファントム」

もう20世紀号も千秋楽もとっくに千秋楽を迎え

大劇場公演も集合日を迎え

制作発表会も終わって

初日もまもなく!という今になって

 

ようやく「ファントム」を振り返ってみようと思います

(お恥ずかしい限りのスローペースですが、まぁお許しくださいませ)

 

多分これ、めっちゃ長くなります。(宣言)

その割には、ここがよかったとかここで泣いたとか、

そういった個人的な感想を垂れ流すだけになると思います。

(すみません、最初に謝っておきますね・・・)

 

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三井住友VISAカード ミュージカル

『ファントム』

脚本/アーサー・コピット 作詞・作曲/モーリー・イェストン
潤色・演出/中村 一徳 翻訳/青鹿 宏二

 

主演:望海 風斗、真彩 希帆 

 

宝塚大劇場:2018年11月9日(金) - 12月14日(金)

東京宝塚劇場:2019年1月2日(水) - 2月10日(日)

 

(公演画像は宝塚歌劇団HPギャラリーのもの)

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雪組さんの本公演は、

大劇場公演(お茶会)→東京公演(お茶会)→千秋楽LV

という流れで完結するので観劇記としてはこの順番になるのですが

初見は11月なのでもうかなり時間が経ってしまっています。

 

初見時はなんかもうふわふわと観てたから詳しく覚えてないけど

ナンバーのボリュームが半端なくてどの曲も素敵でなんかあっという間に

終わってしまった感じでした。

でもすごくよかったです。本当によかったです。(←語彙)

 

過去何度か再演されているにも関わらずこれまで観たことのなかったファントム。

先入観なくこんな作品なんだ~と新鮮に観劇できました。

初見後に強く思ったのは、

これエリック&クリスティーヌ&ベラドーヴァ役が歌が上手くなければ成立しないのでは…?ってことでした。

今回は申し分ないです。ひらめちゃんもとってもよかった!後は申しますまい。笑

 

 

とにかくエリックの純粋さが切なくて。

地下に潜んで暮らしている身だけどでも母親からの愛情はたっぷり受けたから

とっても心根は優しい子に育ったんだよね。

最後にエリックが、父さん!って叫んだ時にもうびっくりするくらい泣いた。

その前にジェラルド!って呼びかけた時には声に甘えが見えて泣けた。

 

あともうこの公演に限らずだけど、今回改めて思ったのは

どれだけ感情的に歌ってもしっかりと歌詞が聞き取れること。

歌詞も台詞も、泣きながらでもハッキリ聞こえる。技術的な素晴らしさ。

 

 

きほちゃんのクリスティーヌはもう可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて。

街角やビストロでの夢や憧れでいっぱいな笑顔も、

エリックに対してだんだんと母性がにじみ出てきた慈愛に満ちた笑顔も、

どちらもキラキラしていた。素晴らしかった。

最初のパリメロから場面が進んでいくに連れてどんどんと歌が上手くなっていく様子を

表現しているのは圧巻だし、それに加えて彼女の表情もどんどん変わっていく。

ラストシーンの洗練された美しさはあどけない街角の少女と全く違って見えた。

 

タイターニアさまのシーンのお衣装がすごく凝ってて好きなんだけど、

お歌のレッスンのシーンの緑のドレス×紫のリボンもすごく好き。

 

レッスンのシーンは、台詞では表現されていない「エリックとクリスティーヌが少しずつ

心を通わせていく様子」が表現されていて好き。

 

 

そして咲キャリさまの♪エ~リックっていう歌い出しで条件反射で泣く。

咲キャリさまはあの歌い出しが絶品だと思う。

もちろん歌唱技術の面では拙さもあるし高音になると「咲ちゃん」になっちゃう部分もあるんだけど

彼の呼びかける「エリック」には彼の優しさと温かさと甘さと息子への深い愛情が詰まっている。

 

あとね、ビストロの場面でハット&コート姿で舞台奥に登場した時に、なんかめっちゃイケメン来た?

って思ってハット取ったらキャリ様で私のセンサー半端ないなって笑った。

あの、登場~帽子&コートを脱ぐ一連の流れが素敵過ぎて好きすぎる

えんじ色のお洋服に深緑のコートっていうセンスもおいちゃんかっこよすぎ!

 

後ろに団体の方がいらっしゃった時に、キャリ様が実は結婚してた件で、

団体のおばさま方が、えぇええー?ってざわついたのはおもろかった。

そりゃそうだよね。 私は予備知識で知ってたけど、

全く知らなかったらあの流れであれは信じらないと思う。

 

キャリ様、ベラドーヴァと出会った時に18才だとしてエリックが産まれた頃にはおいくつだったんだろう?

良いおうちの御子息だとしてもすでに親の決めた結婚の後ってこれまたお若いですよね。

 

私があの時代に生きるベラドーヴァだったら、愛する可愛い息子がいて、

生活には困らない資金提供があって、キャリさまも通って息子に愛情を注いでくれて、

自分もオペラ座の仕事を続けられるならそれでいい気もしてしまう。

そのくらい咲キャリさまが素敵。でもやっぱり設定的にクズみが酷い。笑

 

でも、エリックの言動のひとつひとつに対してのキャリさまの表情が

心配そうであったり優しそうであったりとにかく慈愛に満ちていて

いろいろ残念な人だけど息子への深い愛は本物なんだなぁと思って泣ける。

 

騒ぎが起きる場面なんて、おろおろしながらエリックエリックって、

もうエリックしか言ってないの本当に可愛い。

あとセーヌ川沿のブキニストとかで息子の喜びそうな詩集を探してる姿とかも想像すると可愛い。

 

息子に対する可愛さ愛おしさ大切さと、
自分の地位や立場を捨てることは出来ない身勝手さが当然のように混在してる。
息子のことは可愛いよ当然だ、でもこれ以上のことは出来ないよ仕方ないだろう?
出来るだけのことはしてきたんだよ?みたいな。
なんかもうジェラルドおいたんのことばかりになっちゃうけど。笑

 

 

いやしかし。

本当に彼を知るためには顔を見ないと。って言ったのに、

彼の顔を見てしまったんですって言うクリスティーヌに対して、

なんてことだ!とか言うのは、お前はそーゆーとこだよ!ってちょっと思っちゃいますよね。

まぁ咲ちゃんだと思うと許しちゃいますけど!

 

でもこれ、同じ日に観劇した友人が、

「ジェラルドは、エリックが自分以外に顔を見せたりしないだろうっていう

変な自信があったんじゃない?」と言っていてそれも面白い解釈だなって思いました。

(ちなみに同じ友人が「きほちゃんにあんなふうに歌われたら誰だって仮面外すわ!

あんなん卑怯やわ」って言ってて笑いました)

 

 

 

 

3人について(ってかほぼキャリエールについて)書くだけでとまらなくなっちゃいますね。

 

その他では、なんといってもベラドーヴァ。

彼女のせり上がってくる姿が最初の爆泣きスイッチ。

過去作観てないからなんとも言えないけど、あの役がひらめちゃんなのすごくいい。

もちろん歌も大事だし声がいいのも最重要だけど、多少のヒロイン属性はもっててほしい。

私の好みとしては、だけど。

 

そして役替わりのお2人。

 

Aパターン。

凪様のフィリップはなんというかソフトな高貴さに溢れてた。

生まれながらの伯爵。クリスティーヌの腰を抱いてウインク!が最高。

「信じて!」の破壊力も半端ない。

あとビストロでのフィリップ!ジェラルド!のシーンの彩彩萌え!

あーさのショレは奥さん大好きな感じと隠せない小物感が最高でした。

奥さんの夢であったオペラ座を我が物にしたいっていう野心が見える。

(凪様ショレは受動的に奥さんの言われるままに動いてそう)

怪人についても完全に疑ってる感じ。(凪様ショレは本当に怖がってそう)

 

 

Bパターン。

あーさフィリップがもうめっちゃキラキラしてて、よ!伯爵!って感じでカッコイイ。

もう本当に素敵な伯爵さまでした。

クリスティーヌの手にキスするところが最高にかっこよかった。

「美しいものに目がないんでね」って台詞がめっちゃしっくりくる。本当にそんな感じがする。

(凪フィルはもうちょっと若き才能を伸ばしてあげたい感がある)

翔くんショレはもう何とも言えない可愛さ。(あーさショレはちょっと胡散臭い)

動きとか台詞とか可愛さの塊なんだけどお顔は美しさの塊。

オペラでガン見でしたよ。 これはやばかった。

あと、「つまり冬だ!」の場面での団員さんのずっこけぶりも見事でした。

 

 

これは完全なる私見ですけども。

凪フィルは、これまでの女の子にも彼なりに少しずつは本当の愛情を注いでたように

思うんですよ。ただ、こんなにもズッキューンって来たのは初めて!っていうね。

それに対してあーさフィルは、可愛い子たちを支援してあげたい気持ちに偽りはないけれども

どこか心を閉ざしていた部分もあって。それがクリスティーヌに対してはフルオープン!

こんな気持ちは初めてなんだ・・・みたいなそんな印象を受けました。

 

 

 

結論。どっちもいい。

 

 

 

 

 

 

フィナーレナンバーもどの場面も大好き。本当に好き。

 

まずはキラキラした凪さまの銀橋ソロからスタートして

そしてなぜだかあがせんが可愛く見えてくる(おい)ロケット

きほちゃん中心に娘役さんのMyTrueLoveのアレンジ

そこからの男役さんの大階段群舞

(ここの階段を斜めに降りてくるところ毎回テンション上がった!)

その後咲ちゃんセンターで銀橋勢揃い

雪組を離れるみとさんとたわしちゃんの歌にも泣いた・・・)

そしてそしてのデュエットダンス

もうフィナーレナンバーとして満点では?

ホント、中村先生には感謝しかありません。

 

 

デュエダンもね・・・もうね・・・

鮮やかなお衣装の色とは対照的にとっても柔らかく優しい振りで

2人の表情もとっても柔らかくて幸せそうで

こんなにも素敵で微笑ましいデュエダンを見られて嬉しかったです。

のぞみさん×きほちゃんとエリック×クリスティーヌが融合したようで

ラストの2人が本当に幸せそうだから客席まで幸せな気持ちでいっぱいに

なるようなそんなデュエダンでした。

 

 

 

 

さて。

(まだ続きます)(まじかよw)

 

その他記憶に残っている点を箇条書きで。

 

・オープニングの映像、私は好き

・パリメロとか夜のために着替えとか、わぁミュージカル見てる~って思えて好き

・プロローグ→パリメロ→地下→夜のために着替え、っていう光と影の対比が凄い

・憧れのオペラ座で歌えることに瞳を輝かせるクリスティーヌと

 夢を叶えてクリスティーヌ役を演じているきほちゃんが重なってもう泣けて仕方ない。

・夜のために~の場面のバレリーナちゃんたちのフェッテ(かな?)ブラボー!!!

ジャンクロードのおいちゃんが良い人すぎて泣ける

・衣装係となり楽譜を取り上げられ衣装を山積みにされるクリスティーヌ→homeのナンバーがスタート

 →衣装係の仕事をしながら周囲を気にしつつそっと楽譜を開いて歌う、っていう流れの素敵さは観ないと伝わらない

ひとこちゃん白軍服。カリさま赤軍服。あやなちゃん青軍服。眼福。

・ビストロの場面はきほちゃんが圧巻なのはもちろん、みんながすごく幸せそうに笑ってるから大好き。

 映像過多はどうかと思うけどあの場面ではとても効果的だったと思う

・エリックとクリスティーヌの♪抱きしめて~セーヌ川で~と

 ジェラルドとフィリップの♪シャンゼリゼを~歩きながら~が ずっと頭をまわる。

・ビストロの場に存在できないエリックのあのオケボックス分の距離が切ない

・ビストロのお衣装をフィリップに褒められた時のクリスティーヌの嬉しそうな顔ったら!

(だって先生がご用意してくれたんですもの)(実際は従者さんかもだけど)

ってか従者!全編にわたって素晴らしい。特にあゆみひーこ。最高。

・エリックたんさすが指揮が完璧

・シャンデリアの場面のちょっぴりスローモーションになるとこ。

 下手花道から去っていくエリック、クリスティーヌ、キャリエールを見送りながら、
 この3人の並び好きすぎる~と作品の中身とは違う軸で胸がぎゅいーんとなる

・好きな女の子にそっとキスした後にお父さんが部屋に入って来た気まずさ、からの~

 もう2度と部屋に入るなって息子に怒られたしょんぼりお父さん、からの~

 この前は悪かった怒ったりして、までがセット。笑

・エリックストーリーの場面で束の間のさききほを堪能します

・ご自慢の森を紹介するエリックの可愛らしさとその虚構っぷりのむなしさ

エスコートがスマートなのはさすがキャリエールの息子だなって思う

・MyTrueLove のクリスティーヌの慈愛に満ちた優しい表情と澄んだ歌声と曲の盛り上がりと

 そのクリスティーヌが走り去った後のエリックの切なさと子供に返ったかのような泣きじゃくり方が

 頭の中をグルグルと回って本当に辛い

・怪我をしたエリックを一生懸命かくまうジェラルドの必死さとでもそれがちょっと嬉しそうなエリック

・父子銀橋。父だと明かしてくれた時の息子と実は知っていた目元が似ていると思っていたと言われた父の

 2人ともがとっても嬉しそうなのがいい

お父さんと呼びかけたいと言われた時のジェラルド、なんとも言えないイイ顔する~

・大切に大切に宝物のように守ってきた息子を自分で撃たなくてはならないなんて胸が苦しくなる

・みんなを下がらせてくれ、と言われてなぜか当然のように残るフィリップ!Why

・ボロボロと泣きながら息子の亡骸とセリ下がるお父さんに客席の私がボロ泣きですわ

・ラストのクリスティーヌの場面。きっと何年経っても彼女にとってはエリックとレッスンした日々は

 忘れられない思い出なんだろうなと。

 実際レッスンの日々はほとんど描かれてないけど2人にとってのかけがえのない時間だったんだろうと思えて泣ける。

・千秋楽LVのカメラさんビストロでクリスティーヌが覚醒した後の、

 恋に落ちたフィリップとかつて愛した人を思い出しているジェラルド

 なんとも言えない表情を大画面に映し出してくれたことには感謝しかない。

・過去のファントム上演時のことがわからないからなんとも言えないんだけど

 愛情さんて毎回あんなに愛情いっぱいで息子にメロメロな愛情さんなんですか?

 もう愛情だだもれ過ぎてこれまで関係がバレてなかったのが信じられないんですけど?

・何回見てもカルロッタさんの「歳は少しごまかして~」のとこが手のフリ込みで可愛くて好き

最後に。

言葉に残したい感想はエリックやジェラルドやフィリップについてが多いのに

公演が終わった今も私の頭の中を巡っているのはクリスティーヌの歌声で

それが本当に切なくて胸が締め付けられて

きほちゃんに関しては思考を通り越して心や魂に刻まれているんだな

誰よりも別格で彼女の舞台が好きなんだなぁなんてことを改めて思った公演でもありました。

 

 

というわけでグダグダ長文「ファントム」についてでした。