【ハウ】

久々に映画を見に行ってきたので

今回はそちらのお話を!

 

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「ハウ」

監督:犬童一心
原作:斉藤ひろし
脚本:斉藤ひろし 犬童一心

 

婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎えていた市役所職員・赤西民夫(田中圭)。
横浜で一人空虚な日々を送る彼は、上司からの勧めで、

飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになってしまう。
犬はワンと鳴けず「ハウッ」というかすれた声しか出せない。

とびっきり人懐っこいこの犬を、民夫は“ハウ”と名付け、

1人と1匹の優しくて温かい日々が始まった。
民夫にとって最初は戸惑うことも多かったハウとの暮らしだったが、

何をするにもいつも一緒な“ふたり”の絆は次第に深まり、

いつしかかけがえのない存在となっていった。
ハウと民夫の最高に幸せな時間はずっと続くと思っていたのだが…。

そんな時、突然ハウが姿を消す。
あらゆる手段を尽くしてハウを探す民夫だが、

無情にも「ハウによく似た白い大型犬が事故死した」という情報がもたらされる。

しかし、横浜から遠く離れた北の地でハウは生きていた!
偶然のアクシデントが重なり、ハウは青森まで運ばれてしまったのだ。
ハウは、大好きな民夫の声を追い求め、「もう一度、君に会いたい」という

一心で青森から横浜、798キロの道のりを目指す。

民夫はハウがいないという現実に苦しみもがきながらも、少しずつ向き合おうとする。
民夫のそばで優しく寄り添う同僚の足立桃子(池田エライザ)の支えもあり、

皆それぞれに悲しみを抱えながら生きていくことを学んでゆく。

一方、ハウは民夫を探して走る道中で、悩みや孤独、悲しみを抱えた人たちと出会う。
震災の風評被害に心を痛める女子中学生の麻衣(長澤樹)。

愛する夫(石橋蓮司)を亡くし、ひとりで傘屋を営む老女・志津(宮本信子)。

深刻なDV被害に遭い、修道院のシェルターに保護された若い女性・めぐみ(モトーラ世理奈)。

彼女たちに寄り添い心を癒していく。

 

映画『ハウ』公式サイト

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

動物物、特に犬物の作品に弱いので

まんまと見に行って

まんまと泣いて参りました

 

 

でも、なんていうのかな?

よくある愛犬を失って悲しくて泣くような

そういった涙ではなく、

あーそうなのかぁ・・・

いや、それは辛いな

辛いよな

いいの?本当にそれでいいの?

あぁ、お前はなんて優しいんだ・・・

切ない・・・なんて切ない結末なんだ・・・

みたいな、そんな気持ちになりました

 

 

 

主人公・民夫は結婚直前で婚約者にふられて傷心のところを

上司の奥さんからの紹介(お願い?)で

保護犬ハウと出会うのだけれど、

そこからの民夫とハウの日々がもう本当に幸せそうで

一緒にサンタ帽被って過ごしたクリスマスや

そんなハウとの日々をアップしていたSNSや

犬飼いさんならきっと身に覚えがあるような

愛しい日々に自然と頬が緩んでしまう

 

 

中でも私の心がぎゅいーんってなったのは

民夫が帰宅すると玄関で待っててくれるハウの姿

 

数ヶ月振りの実家帰省であっても

まだ家族の誰も気付かないくらい遠くから

いつも私の車の音に気付いて

玄関で盛大に迎えてくれた今は亡き愛犬の姿を

思い出して泣きました

 

ちなみに、「ただいまーハウぅー!」って

帰宅する田中圭くんの可愛さも最高でした笑

 

 

 

民夫は散歩中に居眠りでリードを離してしまって

目を覚ました時にはもうハウの姿はなくて

探しても探してもみつからなくて

よく似た犬が交通事故に遭ったという事実を

火葬も済んでから知って

ほぼハウで間違いないと思うと聞かされた民夫の

 

「リードの感触が消えない」
「あの時自分がリードを離さなければ」

 

と落ち込み悩む姿には本当に心が痛かった

 

 

こういうのって早く忘れた方がいいのかな?

忘れたいけど忘れたくない

忘れてしまうのが恐い、みたいなの、あるよね泣

 

 

 

そうそう、民夫の職場のくそばbaa……

あ、いや、おばさまがね、凹み続ける民夫に

「また新しい犬飼えばいいじゃない?

え?高いの?」

みたいなこと言った時には

怒りのあまり座席立って画面に殴りかかろうかと思った

(もちろん大人なのでしませんが)

 

 

 

 

気を取り直しまして(ふぅ)

 

 

さてここからがハウの大冒険

 

実は生きているハウ

あれこれあって遠く東北の地にたどり着いてしまったハウ

横浜の民夫の元へ向けての旅が始まります

 

 

ここからのハウが出逢う人たちの物語は

まるで絵本を1ページずつめくっていくような

そんな印象を受けました

 

ドキュメンタリーってよりファンタジー

 

語りが石田ゆり子さんの柔らかい声で、

だから余計におとぎ話みたいに感じたのかな?

 

 

 

このハウが旅の途中で出会う人たち

 

きっと今も同じような傷や闇を抱えている人が

たくさんいるような、

そんなリアリティのある問題を取り上げていて

 

もちろん、そこにハウがたどり着いたからって

一件落着!って問題が解決するようなことはない

 

でも、そっと人の心に寄り添い、癒し、

そしてまた民夫の元へと旅立っていく。そんな感じ。

 

 

 

放射能被害に遭って地元へ戻れず

転校先で風評被害に遭っている女子中学生

 

 

人通りの少なくなったシャッターばかりの商店街で

夫の残してくれた店を1人守り続ける傘屋の女性

 

 

酷いDV被害に遭い

修道院に保護されている女性

 

 

そこに鳴き声がうるさいからと声帯を取られ

鳴き声を失った上に捨てられた保護犬の問題も絡んでくる

 

 

 

 

福島の女子中学生を演じた長澤樹ちゃん

DV男から逃げている女性役のモトーラ世理奈さん

今回初めて知った女優さんでしたが2人とも

なんとも言えない透明感とリアリティがあって素晴らしかったです

 

 

あと、修道院にDV男が押しかけてくるあたり、

ちょっとかなりのバイオレンスな内容で本当に恐かった

 

きっと本当にこんな被害に遭って

こんな恐ろしい思いをしている人がいっぱいいるんだと思う

 

いろいろ考えさせられるよね

 

 

 

 

一方の民夫側は、池田エライザちゃん演じる

職場の同僚と少しずつ仲良くなるんだけど彼女が猫飼いさんで!

 

 

犬飼いさんと猫飼いさんの両方がきっと

「わかるわかる」ってなれる作品だったと思う

 

 

 

 

 

※以下↓↓↓結末ネタバレしてます


 

ようやく(確か1年くらい経ってる)前を進み始めた民夫は

婚約者と住むつもりで購入した家を売却し

マンションを購入し新しい暮らしを始める

 

そんな民夫のいなくなった懐かしの家にハウが戻って来る

 

その家には夫を亡くしシングルマザーとなった女性が

息子と引っ越してきていた

 

少年は現れたハウをパパの生まれ変わりに違いないと言い

その母子の元で飼われるようになる

 

そんな民夫とハウは

いつも一緒に散歩をしていた川沿いの道で再会する

 

もちろんお互いにお互いのことはしっかりと覚えてる

 

再会を大喜びした民夫だったけれど

民夫の元へ駆け寄ったハウを追ってきた母子に

ハウを飼うようになった一連の流れを聞いてしまい

自分のことは何も話さず

ただハウをぎゅっと抱きしめてその耳元で

「これで本当のお別れだよ、ハウ」

と囁いて背を向けて去っていくのでした……涙涙涙

 

 

 

え、ちょ、待って…

 

切なくて号泣しながらも

「ありえない!!!!!」って

私は思ってしまいました

 

ねぇ、ちゃんとハウは理解してる?

あなたに会いたくて

またあなたの家族になりたくて

頑張って旅してきたんだよ?ねぇ???

 

別に少年からハウを奪うようなことはしなくていい

(マンションじゃ飼えないだろうし)

でもさ、母子に事情を話して、

時々会いに行かせてもらったりとかさ、

そのくらいは出来るんじゃない?

え?ダメ???

 

いくらその少年のキラキラした表情を見てしまったとしても

私だったらそんなの絶対割り切れないよ…

 

 

そう思っていたら、

目的のお店に着いた後で民夫がボロボロに泣いてて

なんだよお前強がりかよ我慢すんなよ…

ってまたしても泣けてしまって

 

そしたら結局また、だったらなんでお前よぉ…

 

 

ってそんなループに陥るラストでありました笑

 

 

さくんと記録しておくだけのつもりが

案外の長文になってしまいましたね…

 

いやでも、見に行ってよかったと

素直に思えた映画でした☆

 

 

 

 

といったわけで久々の映画回でした!

 

お次は配信で見た星組全国ツアー

モンテクリスト伯」「グランカンタンテ」についてです!