雪組さんは絶賛大劇場公演中ですが
そして私の頭の中ではワンスアポンの曲がずっとぐるぐる回っていますが
それでも今更ながら昨年秋の全国ツアーについて!
案外いろんな都市を回って満喫してきましたよ!!
まずはお芝居「はばたけ黄金の翼よ」から
宝塚ロマン
粕谷紀子氏の劇画「風のゆくえ」を原作とした『はばたけ黄金の翼よ』は、1985年に雪組トップスター麻実れいのサヨナラ公演として上演され鮮烈な印象を残した作品。この度の雪組全国ツアー公演において、演出・小柳奈穂子による新たなアプローチで34年振りに宝塚歌劇の舞台に甦ります。
中世の北イタリア。勇猛果敢なイル・ラーゴの若き領主ヴィットリオ・アラドーロは、宿敵である隣国ボルツァーノとの戦において、領主カンポ公を討ち果たす。和平の条件としてカンポ公の妾腹の娘クラリーチェとの結婚を要求したヴィットリオだったが、結婚式の夜、彼女から父の敵として短剣で斬りつけられる……。自らの手で運命を切り開こうとするクラリーチェに心を奪われるヴィットリオ。そしてクラリーチェもまた、非情な支配者の顔の奥に秘められたヴィットリオの優しさに触れ、次第に彼に惹かれていく。しかし、長年覇権を争ってきた両国間に渦巻く権謀術数が、二人の前に立ちはだかり……。
敵同士の二人が、真実の愛によって結ばれるまでを、ドラマティックに描く物語。
主演: 望海 風斗、真彩 希帆
公演期間:2019年10月12日(土) - 11月10日(日)
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この作品は初演のものを映像で見たことがあって、とても好きな作品だったので
演目が発表された時からだいきほコンビでの再演を楽しみにしておりました!
何よりもうあの麻美れいさんの歌う「霧の十字路」の主題歌が大好きだったのですよ。
幼な心にも届くあの色気・・・艶っぽい歌声・・・
国を背負い、強さや冷酷さの塊のような主人公が
ヒロインの前だけは、いや、ヒロインのことを想う時だけは、
本当に純粋な少年のような表情になるんですよ。
これこそ少女マンガの胸きゅんポイントですよね。
で、ですよ。
これをのぞみさんがされるっていうのだからね。
そりゃ期待値ダダ上がりで観劇にのぞんだわけですよ。
結果。
ちょ、ちょっと…ヴィットリオさまがかっこよすぎたのですが、あの、どうしたらいいですか?
これが初見の感想でございました。笑
ストーリー展開は確かに少し古臭いところもあるけど、でも、
それがまた今回の作品としての特長でもあってそれを楽しむようなところもあるし
みんなそれぞれ見せ場のあるいいお役で
出てくるみんなイケメン美女揃いでしかもみんな声も良くて歌も上手ですごくない?
え?すごくない?って無駄にハクハクしたりしました。笑
初演の時に好きだったあの煌びやかなプロローグが残ってたのも嬉しかったな。
♪アラドーロ~アラドーロ~黄金の翼よ~♪っていうあの耳に残る主題歌とともに
センターに君臨されるターコさまとその影のように並ぶモサクさま。
大好きだったあの場面を、望海×朝美で見られるなんて・・・!!!
普段は宝塚をなかなか観劇できない全国各地のお客様に対しての掴みとしても最高だったと思う。
だってさ、もう開始10分で、宝塚見たわぁ~豪華やったわぁ~ってなるでしょ?(なぜか突然の関西弁)
男役さんの軍服。娘役さんのドレス。湖やお城などの美しいセット。
このあたりも、宝塚の良さを堪能して頂ける演目でしたね。
(そしてお衣装が「鈴蘭」祭でしたよね!懐かしかった…)
望海ヴィットリオさまはもう本当にどの場面もときめくかっこよさで最高でございました!
なんといってももう、クラリーチェのこと大好きなのがめちゃめちゃ滲み出てて
それがね、可愛くて仕方なかったですよ。
例のクラリーチェの胸元のリボンをほどくあの場面では、女を抱くことになど何の躊躇いも
ないであろうあのヴィットリオが、クラリーチェには手を出さずに終わるのが
これまた「周りにいる女たちとは違う存在」だと暗に示しているようできゅんとする。
(だから、それが伝わるからファルコは面白くないんだよねw)
クラリーチェが毒を飲んだと知った時の狼狽えっぷり
目を覚ました時の安堵の表情と思わず駆け寄るお姿
故郷でみんなに囲まれて嬉しそうな彼女を見てのちょっとしたジェラシー
鞭うたれるお姿に溢れるよくわからない色気
眼帯を付けてからのお姿のさらにマシマシな色気
助けられた時の「どこの男の子かな」からの「後で俺が髪を切りなおしてやる」までの
一連の流れのお声とお顔の優しさといったら!!!ねぇ!!!
(息切れ)(の後に、思い出してうっとり・・・)
そしてそして。なんといってもラストの「霧の十字路」ね。これね。
初演のラストは、男の子(通称ペーター)コス(コス言うな)のクラリーチェと
この曲を甘々デュエットして花道からハケていって幕!だったと思うのですけれども、
ここが大分変わりまして。このペーターの場面よりも後に場面が増えていて。
ラストはクラリーチェに対して、ヴィットリオさまがそれはもう盛大に愛を伝えて
その愛しくて愛しくて仕方ない感情のまま「霧の十字路」を絶唱!!!
というなんかもう本当に最高なラストシーンでありました・・・ありがとう世界・・・
それにしても、この望海さんの貫一郎さんからの振り幅の広さは素晴らしいですよね。
親友を振り払って脱藩までしてなんとか家族を養っていた貫一郎さんから一転、
生まれながらに人の上に立つ、愛されても愛することはないヴィットリオさまへ。
さすがの一言でございます。
(でも、ヴィットリオさまがイルラーゴの美しさを語りだした時にはちょっと貫一郎さんご降臨されましたよねw)
そして真彩さんのクラリーチェ。
これは可愛い。もう可愛い。信じられないくらい可愛い。可愛い。可愛い可愛い・・・
今回、どのお衣装も本当に可愛くて、それに合わせた鬘や髪飾りも天才じゃないかってくらい
可愛かったんですよ!!!(すみません、贔屓なものでべた褒めです。笑)
剣術の稽古時の青ドレスも故郷凱旋時の赤ドレスも良かった!
(何気にヴィットリオさまが夫婦でお揃いのお召し物をご準備されたのかと思うとこれまたテンションあがる)(もうホントヴィットリオさまがかっこかわいいの塊でしんどい)
ペーターのお衣装もそれはもう可愛かったんですけどね、なんといってもその後の
ショート鬘×ドレスっていうラストのお姿がびっっっっくりするくらい可愛かった!
あとね、お兄様・ひとこジュリオと髪色合わせた感じも可愛かった。(結局なんでも可愛い)
どの場面も本当に可愛らしいお姿なんだけど、それでいて「自分の人生は自分で決める」という
意思の強さが印象的なクラリーチェ。あの時代の領主の娘なんて、謀の駒にされてもやむなしの
存在だっただろうに。その甘辛なバランスが絶妙に素敵なヒロインだったな、と思います。
真彩担としましては、可愛いお姫様姿から、少年姿から、剣を持っての立ち回りまで見せていただけて
大変満足でございました!!!
面白かったのは、クラリーチェたんの声が良すぎて、戦闘シーンの間中ずっと、
は!はー!はぁー!みたいなの響いててさすがにそれは笑った。笑
嬉しかったのは、本当にいろんなお役の方と案外しっかりとお芝居する場面があったこと。
ヴィットリオのぞみさんとがっつり絡みがあるのはもちろんのこと、
ファルコ朝美さん、ジュリオひとこちゃん、ロドミアきわちゃんあたりとも
台詞のやり取りがちゃんとあって、あと、杏野サンドラ・舞咲シントラの両乳母さまが
ちやほや可愛がってくれるのも嬉しかったなー!
Q1.ラストのクラリーチェがなんで突然出て行こうとするのか?
Q2.その割にその決心があっという間に崩れ去るのはなぜか?
っていうのはちょっと疑問に思わなくもなかったんですけど、
A1.彼女を引き留めて愛情たっぷりに歌うヴィットリオさまのシーンを作るため
A2.だいきほラブラブなハッピーエンドで終わらせるため
って考えたらすんなり納得できました。はい。
だいきほコンビは、歌も芝居もダンスもレベルが高く最強だなと(すみませんヲタなもので)
常々思っていますが、それでもここはウィークポイントだなと思っていた点・・・
キスシーンが今回の公演とても良かったのも印象的!
(これまで、「してるフリ」感が強いなぁと気になってはおりました。ほら、蘭寿さんとか
ちえちゃんみたいに「本当にしてるんじゃ?」って人と比べちゃうとね)
(これが生かされているのか、ワンスアポンのキスシーンもとても良いです!)
朝美ファルコ。
もし、FNSで朝美Jが気になっちゃった女子が地元に来るからと全ツに参戦したりしたなら
間違いなく朝美ファルコに完落ちしたと思うわ。
そのくらいのすでに何年か2番手やってます風の完成具合だった。芝居も歌も佇まいも。
シルバー×ストレートロングの鬘がこれがまた似合っててね!かっこいいね!
(ただ、ファルコ・ロドミア兄妹の髪の遺伝子はどうなってんだよ?って感じだけどw)
あと、組替えで来たばかりのひかりふるの時から実証されてきたけど、
望海×朝美の芝居の相性の良さ。これ本当にイイ。
マクシム×サンジュスト、オスカー×オーエン、吉村×斎藤、そしてこのヴィットリオ×ファルコを経てのヌードルス×キャロル。
芝居の空気の動かし方に同じような匂いを感じる。これが相性なのかなって思う。
皇妃殺害を企てた罪に問われ処刑されるシーンで、ファルコを庇ったクラリーチェが、ファルコの手をぎゅって握るところと、そんなクラリーチェの姿を見て、信じられない…って驚愕の表情をするファルコが好きでした!
永久輝ジュリオ。
王子ですよ・・・ひとちゃんがそれは見目麗しい王子様でしたよ・・・
なんかモコモコしたお衣装着てるのとか可愛いよね・・・
原作とは違ってちゃんと妹のことを大事にしてくれる優しい兄上。
でも、父に代わって自分が国を治めていかなければという責任感と
若さ・優しさ・経験の無さからくるふらふらしちゃう感じがイイ。
対クラリーチェの妹を気遣う表情、対ビアンカへの愛情、対ヴィットリオへの感服の態度もいい。
相手役のビアンカ・みちるちゃんとの並びのバランスも最高でしたね。
演技派みちるちゃんにしては出番・台詞が少なく感じて残念でしたけども。
ジュリオとビアンカの2人は悪い人たちに利用されながらも、それでも
ずっと一途にお互いのことを想い合っていて、そこには彼らの芯の強さがあって、
きっとこの先、ボルツァーノを素晴らしい国にしていってくれるだろうなって
そう思わせてくれる素敵な2人でした。
で、その悪い人の筆頭が、グリエルモ伯爵・あすくん。
ジュリオをイイ人キャラにしたため、その分悪いとこ全部持ってったキャラ。
これはもうあすくんの基本的な実力の高さへの信頼感。
悪だくみの台詞がキッチリ伝わる事って本当に大事だと思うんですよね。
それでいて、隣国どころか自国の領主、その上自分の娘まで利用するその真っ黒さ、最高です!
きわちゃんロドミア。
初演の時に大好きだったロドミアさんの酒場の歌がそのままで嬉しかった!
きわちゃんは本当に歌っても踊ってもお芝居しても素晴らしいですよね。
酒場にペーター、いやクラリーチェが現れた場面のあのお姉さんな感じが好き。
そして最後までヴィットリオのことを想い続ける姿が泣かせる・・・
ロレンツォあやなちゃん&ジーノあみちゃん&りさちゃんジャンヌ
彼らもとっても可愛かったなー。うん。笑
ジーノの「ロ、ロ、ロ、ロドミアさん!」←これ、本当に好き!
ロレンツォもジーノも案外口が軽くて軽妙なキャラクターだったけど、
こういったお役や場面は(特に全ツは)あった方がいいと思う派なのですごく良かった。
前半には、ロレンツォ・ジーノ・ロドミア・ジャンヌの
後半には、ファルコ&ジャンヌ・ジュリオ&ビアンカの
新曲が追加になったのも良かったなー!!!
それぞれのキャラや人間関係や想いが伝わりやすくなった良き改変。
あ、新曲じゃないけどジャンヌと言えば、
♪許してくれよジャンヌ~♪で始まるファルコの曲が当時からめちゃめちゃ好きなんですけど
(♪ヴィットリオのために~ってフレーズに繋がるんですけどね)
これを芝居も歌もいいあーさで聞けたのは嬉しかった。
しかもそのジャンヌがとびきり可愛いりさちゃんだなんて!最高!
舞咲さんシントラ、杏野さんサンドラ、修道院長うきちゃん。
このあたりの女役さんが芝居をぐっと締めてくれてた。
(うきちゃんの低く抑えた声が意外にも素晴らしかった)
(いつももっと可愛らしいイメージだったから!)
霧のダンサー(沙月・笙野・花蓮・花束)。
これが本当に今の雪組の豪華なところ・・・
素晴らしい娘役ダンサー並び!この方たちが霧の場面に舞うのですよ。
(でもななちゃんの休演は悲しかった寂しかった・・・)
(ひとこちゃん雪組最後の全ツだったのに・・・)
最後に。お役はなかったんだけど印象に残ったのが、
「女官長シントラさまにございますー!」的な台詞がすごくよかったともかちゃん(希良々)。
あの子本当に上手。声もいいし、踊れるし、可愛いしで、いつも案外注目してます。
こんな感じの全ツ「はばたけ黄金の翼よ」の思い出でした!
お次はショーについて!書きたい!(って思ってはいますよ!)