宙組全国ツアー公演「メランコリックジゴロ」「シトラスの風Ⅲ」を観てきました
サスペンス・コメディ
『メランコリック・ジゴロ』-あぶない相続人-
作・演出/正塚 晴彦
ロマンチック・レビュー
『シトラスの風III』
作・演出/岡田 敬二
2015年10月10日(土)~
宙組:朝夏 まなと、実咲 凜音、真風涼帆、ほか
「メランコリック・ジゴロ」は初演の安寿ミラさん、森奈みはるさんバージョンを 何度も繰り返しビデオで見た大好きな作品
真飛さんの再演は観劇しました
それに対して「シトラスの風」は、観劇はおろか映像ですら観たことのない作品 極端な両作品。
楽しみに行ったのですが、さすが全国ツアーですね。
お芝居では結構客席もどっかんどっかん沸いてて、たくさん笑ってくださってて嬉しかったです。 (中の人的立ち位置・・・)
なんかこう、コントっぽかったりお笑い芸人さんっぽかったり内輪ウケっぽかったり・・・ そんな感じのアドリブで笑いを取るのはあんまり好きじゃないんですけど、 今回は本当に台詞やその間で笑いを取っていて素晴らしかったと思います
ショーは、私個人の感覚としては、そんなに何度も再演するほどの作品か?と 多少疑問は抱きましたし、やっぱり別箱公演は装置や階段も簡素で物足りなくも あったんですけど、でも、初心者の方にはわかりやすくタカラヅカっぽい場面も多いし、 良かったら本場大劇場に来てくださいね~もっと豪華なんですよ~っていうPRには 良い公演だったと思います。(マル)
まずはまぁ様。(朝夏まなとさん)
実を言うとまぁ様のトップ姿を観るのは初。 それどころか宙組に来て初。 いつ以来かっていうと、花組最後の復活・カノン以来・・・。 しかしまぁ立派なトップ様におなりでした!! まぁ様本人の温かい人柄がにじみ出るようなダニエルお兄ちゃんも素敵だったし、 なんといっても、ショーの最初に登場したまぁ様が!もう! !太陽の子が誕生しました! ってナレーション入れたくなるような輝きで、スターってこういう人を言うんだなぁと納得。 長い手脚を生かしたダンスが素晴らしいのはもちろん、歌もとっても丁寧に歌ってて 非常に好感を持ちましたです。
そしてみりおん。(実咲凛音さん)
彼女もまた宙組に来て初めてになるんだけど、ヒロインの基本的な実力が安定していると 公演の質はここまで底上げされるのか、っていう典型的なお上手っぷり。 歌が上手いのは周知の事実ですが、透明感のある声が美しい上に、滑舌も良くて 台詞が聞き取り易い。 役柄としては、ちゃきちゃきのみりおんがとろくてドジでのろまな フェリシアってのはちょっと無理もあったんだけど(笑) でもダニエルお兄ちゃんが、 「困ったことがあったら何でも言って来いよ」 ってつい言いたくなっちゃうのがとってもよくわかる 可愛い妹キャラだったので大成功だったと思います。 ショーでもみりおんの歌声をたくさん堪能できて本当に耳福でした。 (すみません、細かい場面や曲はあんまり覚えてません・・・)
続きまして真風!(真風涼帆さん)
メランコリックの「肝」はスタンだと私は思っているのですけどね。 真風のスタン!良かった!超良かった!めっちゃよかった!(力説) 主要キャストの中で芝居のテンポとか間とか台詞回しとか、 スタンが一番良かったです。 (まぁこれは好みの問題も大きいと思うのですが・・・) 初演のミキさんが当て書きなのもあってスタンそのものの好演でしたけど、 また一味違った、それでもいい加減な、でも憎めない、 愛すべきキャラに仕上がってたと思います。 ショーでも2番手さんとして大活躍でしたけどね、なんでしょう? もしかすると2番手さんとして初めてのショーかと思うんですけどね・・・ トップ間近のベテラン2番手なんじゃないかと思うほどの 落ち着いて貫録のあるスターっぷり。 まぁ様ほど陽性ではないものの、それでも輝かしいオーラを放っておりました。 中でも、みりおんと「夢アモール」を歌う場面が一際素敵で、 真風×みりおんの相性の良さと隣に娘役を置いた方がぐんとカッコヨサが増す、 というのが嬉しい発見でした。
みんな大好きバロット愛ちゃん。(愛月ひかるさん)
バロットの初演はなんといっても真琴つばさ様ですからねぇ。 愛着あるお役ですよー。 マミちゃんとさっちんさんのバロットルシル夫婦が大好きだったんですけどね、 再演の花組版が、まっつ一花でね!これまた萌え爆発案件でしたわね、はい。 そんなお役みんな大好きバロットを演じた愛ちゃん。 小さいころしか知らない愛ちゃんが、今や立派に3番手さんのポジションに いらっしゃることにちょっぴり感動・・・。 愛ちゃんのお芝居は元々すごく好きで、 今回も期待していったのですが・・・悪くはなかったのですが・・・ 滑舌・・・発声の基礎からもう1回やってほしい! 何を言っているのかわからない箇所が多々あって本当にもったいないと思ったんだよね・・・。 まぁ、「え?この人何言ってんの?わかんないんだけど・・・」っていうのは 今回のバロットに限っては正解かもしれないんだけどね!(笑)
この、台詞聞き取り辛い問題は実は愛ちゃんに限らず、実を言うと、 まぁ様真風愛ちゃん・・・123揃ってでしてね。 (だから余計みりおんの口跡爽やかさが際立つというもので・・・) 真風も愛ちゃんも芝居は良いと思うんだけど、滑舌面が不安定で、 逆に言えば、みりおんはさほど好みの芝居をするわけではないものの聞き取り易さが絶品、 ってな具合でした。 でもでも。 ショーで何度かあった、まぁ様を挟んで真風と愛ちゃん、って並び。 これは素晴らしかった。 それぞれが美しい上に、3人のバランスもこれまた絶妙で。 劇団様、よくぞこの3人を並べてくださいました! って拝みたくなるレベルの美しき光景でありました。
その他、気になった方々。 ティーナのしーちゃん。
やっぱりしーちゃんは上手だわ。 まぁちょっと期待値高すぎて、そこまではじけてなくて残念だったんだけど、 ま、私がこれまで観たティーナは華さんとすみ花ちゃんだからな。 でも可愛くてお上手で良かったです。
フォンダリ・スッシーさん。 登場した瞬間笑っちゃったよ。 カッコよすぎるだろう!! 黒尽くめのお衣裳がこれまたよくお似合いで。 花のさおちゃんとともにこれからもかっこよすぎ組長であってください。
カティア・アリサちゃん。 そのフォンダリさんの相手役がアリサちゃん。(もしくは俺のアリサ) この2人の濃密なねっとりしたラブシーン、最高でした。 バロットに激を飛ばす大人な感じも好きです。(告白)
ノルベール・りんきらさん。 初演のさえちゃんにちょっと似た雰囲気で、おっとり感と温かさと、 それでも銀行強盗の前科を持ったちょっと荒い面も秘めた、ノルベールさんでした。 フェリシアとの場面では案の定号泣しました・・・。
マチウ・もんち。 これは良いお役でしたね。 ダニエル・スタンに挟まれて歌う場面あり、ティーナを口説く場面あり、 恐妻との2ショットあり。バラエティに富んだ美味しい役。 もんちはさすがに巧いです。好きです。(またしても告白)
イレーネ・まいらちゃん。 あんまり出演者確認せずパンフも買わずに臨み、しかも後方席だったのに オペラなしだったので、このイレーネ、めっちゃ上手いし笑いも取るし、 えー誰だろう?きゃのんとか?出てたっけ?って思ったんですけど、まいらちゃんでした。 ホント、みりおんと同じで声も綺麗で台詞も綺麗で素敵です。 ショーの明日エナでの絶唱も素晴らしかったです。
シュザンヌ・きゃのん。 ずっと、イレーネがきゃのんだと思ってたのに、シュザンヌ出てきた瞬間に 『違う!これがきゃのんだ!』って膝を叩きそうになりました。(笑) なんかそのくらい強い個性を持ってるって素晴らしいよね! でもって、エトワールがこれまた素晴らしかった! もしかしたら、きゃのんのエトワールを生で聞けただけでこの公演に行った意味があったのかもしれない。
印象に残ったのはざっとこんなところでしょうか・・・?
残念だったのは、アッキーが全然印象に残らなかったこと。 ベルチェの初登場が遅いので、そっかアッキー出てるんだっけ?ってちょっと驚いちゃった くらいだし、ショーに関してはどこにいたかさっぱりわかりませんでした。 うーん。 いろいろ道は険しいかもしれないけど、次の公演では、アッキーにも素敵な見せ場がありますようにー!!!
こんな感じの宙組全ツの巻でした。おしまい。