ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』

続きまして。

 

真彩希帆ちゃんご出演の

「笑う男」を観に行ったお話。

(2~3月のお話)

 

 

ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』

 

ミュージカル

『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-

脚本:ロバート・ヨハンソン

音楽:フランク・ワイルドホーン

歌詞:ジャック・マーフィー

編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ハウランド

翻訳・訳詞・演出:上田一豪

出演
ウィンプレン:浦井健治
デア:真彩希帆・熊谷彩春(Wキャスト)
ジョシアナ公爵:大塚千弘
デヴィット・ディリー・ムーア卿:吉野圭吾
フェドロ:石川禅
ウルシュス:山口祐一郎


帝国劇場:2月3日(木)~2月19日(土)    
梅田芸術劇場:3月11日(金)~3月13日(日)    
 博多座:3月18日(金)~3月28日(月)   

 

1689年、イングランド、冬。

“子供買い”の異名を持つコンプラチコの手により、見世物として口を裂かれ

醜悪な笑みを貼り付けられた少年グウィンプレンは、

一行の船から放り出され、一人あてもなく雪の中を彷徨う。

その最中、凍え死んだ女性が抱える赤ん坊、後のデアを見つけ、

道すがら偶然辿り着いた興行師ウルシュス(山口祐一郎)の元へ身を寄せた二人は、

彼と生活を共にすることになる。

時はたち青年に成長したグウィンプレン(浦井健治)は、

その奇怪な見た目で“笑う男”として話題を呼び、一躍有名人になっていた。

盲目であるデア(真彩希帆/熊谷彩春 Wキャスト)と共に生い立ちを演じる興行で

人気を博す二人は、いつしか互いを愛し合う関係となる。

そこへ彼らの興行に興味を持ったジョシアナ公爵(大塚千弘)と

その婚約者デヴィット・ディリー・ムーア卿(吉野圭吾)が来訪する。

醜くも魅惑的なグウィンプレンの姿に心を惹かれたジョシアナは、彼を自身の元へ呼びつけ誘惑する。

突然の愛の言葉に動揺するグウィンプレンがウルシュスらの元に戻ると、

突然牢獄に連行され、そこで王宮の使用人フェドロ(石川 禅)より衝撃の事実が明かされる―。

本当に醜いのは、刻まれた貧者の笑顔か、それとも富める者の嘲笑か。

運命に翻弄される“笑う男”が辿り着く先に待っているものとは―。

 

帝国劇場 ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

帝劇初見時にまずさらっと書いた記事はこちら↓

帝国劇場で「笑う男」を観てきました☆ - 姫さまたちに捧げる戯れ言 〜舞姫と歌姫と〜

 

無事に幕が開いたこと、

無事に自分が観劇できたこと、

改めて本当に幸せでした。

 

宝塚の世界に出会う前に帝劇ミュージカルに出会ったきほちゃん。

憧れの帝劇の舞台にに立つきほちゃんの姿を観られたことは

この上ない幸せでございました。



歌はそんなに多くなかった印象だけど

こんないかにもヒロインなきほちゃんが見られて嬉しかった!

 

可愛かったーーーー!!!!

 

 

 

youtu.be

 

 

原作も未読、初演も未見で

どんなストーリーなのか全く知らずに観たから

一体この先どうなるんだろう?・・・ほうほう・・・

で?あぁそうなるのか・・・そうなのねー・・・

え?ウソ?・・・うわぁーん(涙)みたいになりました。笑

(超絶雑な感想笑)

 


途中まで普通の顔して観てたのに

最後急にスイッチ入って泣いてしまった・・・

 

 

 

カタカタカタ・・・とタイプ音が聞こえ

舞台上に映し出される文字

 

「金持ちの楽園は貧乏人の地獄によって造られる」

 

ヴィクトル・ユゴー「笑う男The Man Who Laughs」より)

 

流れてくる物悲しい主題歌「笑う男」

 

こんなスタートでした。

 

 

そこから物語の始まりは大きな船のセットが出て来て

「はぁぁさすがにこれが帝劇ミュージカルよね」

なんて感心するなど。

一座、侯爵邸、会議場、どのセットも素敵。

 

普段宝塚を観ているからなかなか気付き辛いけど

幅広い演劇・エンタメの世界でも、

セットやお衣装がこれだけの規模で用意できる演目って

多くないと思うから

「帝劇の舞台」「帝劇ミュージカル」っていうワードが

誕生するのもなんとなくわかるよなぁ、なんてことも思いました。

 

 

 

さてさて。

 

きほちゃん演じるデア

主人公グウィンプレンにとって星のような存在で、

デアにとっての彼もまた側にいなければ生きていけないようなそんな存在。

兄妹よりももっと強く求め合い、

でも恋人よりはもっと家族に近いようなそんな2人。

 

目の見えない演技も、溢れ出るはかなさも、

ちょっと首をかしげて微笑む表情も、

そしていつもと変わらぬ綺麗な澄んだ声も、

どれも私の大好きな可愛らしさでとても嬉しかったし

素晴らしかった!と思います!!!

 

今回の公演、きほちゃんの出演が発表された時に

何より嬉しくて楽しみだったのは

「楽曲:フランクワイルドホーン」だったんですが、

デアがグウィンプレンと歌う

「木に宿る天使」というナンバーが

本当に素敵でした!

(♪白い雪~赤く染まる君~蒼く光る~月明かりの中~

っていうあの曲です)

 

デアは盲目で光を感じられないけれど

でも彼女はグウィンプレンやウルシュスや

その他一座のみんなにとって光のような存在だっただろうし、

見えないからこそ見えるものがある、そんな存在だったんだろうなぁ。

 

 

 


ウィンプレン役の浦井くん

彼を舞台で観るのは実はかなり久々だったけれど

いい意味で全然変わってない!

若くてかっこいいままで驚く!

あと、やっぱり真ん中が似合う!

ウィンプレン、ものすごく優しいイケメンだったなぁ。

私もあんなお兄ちゃん欲しい笑



突然自分がお金持ちになって

浮かれる気持ちももちろんあるのだろうけど

でもそれよりも貧しき人たちを救おうと訴える姿には

作者・ユゴーの自己投影的なものもあるのかな?

夢と期待も持ちつつ、絶望と諦めも身につけてる、そんな印象。

 

生まれも容姿も蔑まれて生きて来たのに

実は貴族の息子だとわかった途端に生活が一変する。

結局は人間の中身じゃなくて「どこに生まれたか」なのか。

なんていう現実を見せつけられる鬱展開も

作品のテーマの1つなんだろうな。

 

ウィンプレンの歌う

♪笑いたけりゃ笑うがいい俺を~♪っていうフレーズが

頭の中に残ってずっと流れてて(主題歌「笑う男」)

やっぱりワイルドホーン氏のメロディラインって

好みだし癖になるよなぁなんてことも思いました、

 

 

 


ウルシュス役の山口さん
あのね、やまゆうさんはもういつものやまゆうさんでしたわ。

どの作品で見てもだいたい同じなのはどうかとも思うしさすがとも思う。笑

「さすがにちょっと」と思うところもあれば

「やっぱりさすがだな」と思うところもある感じ。

 

幼き日から育てて来た貧しき兄妹への愛情深さや

見世物小屋の座長としての大きさ・懐の深さ

興行主としての客席への口上の巧みさ、なんかはあっぱれ!

 

ウィンプレンばかりかデアまでいなくなってしまう、

と嘆く姿にはもう本当に可哀想で泣かされました。

最初は他人と(しかも子供)関わるの面倒くさそうだったのに、

すっかりと家族のような関係性を築いていたんだよね。

 

「幸せになる権利」のナンバーで

ウルシュスとグウィンプレンがお互いの意見をぶつけ合う場面も

2人の歌の圧バトルがすごい迫力であれは名場面でしたね!

 



そしてそして。

さすがのひと言しかないのはフェドロ役の禅さん

このお方は本当に上手い!

 

恭しい言葉や態度の奥に見える不遜さ。

歌や台詞回しが上手いっていうそのレベルを越えた、

存在感や空気感を自在に操る技術みたいなものがすごいよね。

 

 

 

アン女王役の内田さんも素晴らしかった!

あんなに甲高い声を綺麗に出しつつ、

大事な女王からの命令がちゃんと聞き取れる。

大事なとこ!女王の宣告~!!

 



そして元々私の大好きなキャストで楽しみだった

&とてもとてもよかったのが

ムーア卿の圭吾さん

ジョシアナ侯爵のちひろちゃん
かっこよかったし美しかったー!

こんな大好きな2人の並びが見られるなんて最高でしたね。

 

 

圭吾さんも胡散臭さは大得意なのよね(笑)

あと、殺陣のレベルが高い!かっこいい!

赤子のグウィンプレンが捨てられ

口を裂かれたのは全てこのムーア卿のせいなんだけど、

でも彼も母の身分が低いことで随分なコンプレックスを抱いて

屈折した人間になってしまったの、可哀想ではある。

まぁどうしたって許されることではないんだけど。

 

 

ちひろちゃんはね、なんといっても声が好き!

そしてあの可愛らしいビジュアルから溢れる高慢さが最高!

女王の妹という立場で何不自由なさそうに見える彼女だけど、

でも恐らく結婚相手も自分の人生すら自分で選べない。

そんな富と束縛の両方に囲まれた生活。

きっとそこから自由になりたくてずっともがいていたし、

自分を解放してくれる何かに出会いたかったのかな、なんて思う。

 

ちょっと数年後のきほちゃんでこんなお役見てみたいなぁと

そんなことを思わせる魅力的なキャラクターでしたね。

 

 

 

こんな恵まれた人たちよりも

ウルシュス一座のみんなの方がよっぽど

楽しそうに笑って幸せそうに生きてるのも皮肉っぽいよね。

 

 

一座の中ではなんといっても

フィーヴィー役の宇月さん!(としちゃん!)

歌も台詞もいっぱいあって大活躍だった!

としちゃんの対にいたのはヴィーナス役の清水さんよね?

彼女もとてもパワフルな歌声でよかった!

 

彼女たちがぐっと力強くデアを両側から支えてくれてるの

とってもたくましくて素敵だったし、

一座の女たちのナンバーがとてもよかった!

 

猿少年役の島田さんも強い歌声がとても素敵であった!



あとね、クランチャリー卿&クランチャリー夫人

いかにも貴族らしいしっとりした雰囲気と穏やかな歌声で素敵だったんだけど

これ…一体どなただったのでしょう?
パンフ見る限り夫人は石田さんだと思うんだけど

卿は…どなたなの…???

(「クランチャリー卿」の表記がないのよね)

 

 

 

ラストは現実的なことを言うととっても悲しい結末なんだけど、

でも寄り添うグウィンプレンとデアの姿が

まるで影絵か何かのように非現実的でファンタジー感があって、

ようやく2人は一緒になれたのかな、

もうこれで離れ離れになることはないのかな、

なんて思うと、ちょっとした安堵感を感じたのも事実です。

 

 

物悲しく始まり、可愛らしく終わった

私的にはそんな印象を持った演目でした。

 

 

まぁこれは私がヒロインのファンとして観ているからであって、

そうでなければもう少し風刺的な、

金や権力に頼った人間たちの愚かさを描いた物語に

見えたのかもしれませんけどね。

 

 

 

カーテンコールでのきほちゃんはデアちゃんとは打って変わって

いつもの(笑)きほちゃんで、きゃらきゃら笑って飛び跳ねてお手々振って

元気いっぱい楽しそうでこちらの頬も緩みました。

 

 

<2月10日夜の部>

youtu.be

 

 

<2月18日夜の部>

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あと、この公演でもう1つ印象的だったのは、

きほちゃんが初めてWキャストを経験したこと!

 

もう1人のデア役である熊谷彩春ちゃんの日程では

残念ながら観られなかったんですけど、

お稽古段階からきほちゃんがとってもいろはちゃんと

仲良く楽しそうにしている姿を見せてくれて、

在団中他組のトップ娘役さんとの絡みをあまり堪能できなかった分、

いろはちゃんとの並びが可愛くて可愛くて

本当に嬉しかったです!

 

 

 
 
 
 
 
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デアーズのお写真、最高に可愛いですよね☆

 

 

 

以上「笑う男」のお話でした。

 

次は配信で拝見したネバセイ新公についてを書きたいと思います☆